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粉のコトなど
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 収穫は始まっていないが8月の終わりには、今まだ畑にあるライ麦、小麦は収穫が終わる。収穫したあとには選別作業を経て、パン工房に運びこまれ製粉、パン焼きと進むはずなのだが、そうは行かない。
 麦の収穫が済んだ後にはジャガイモ、カボチャの収穫、発送。秋播きであるライ麦の種播きもその間を縫うように行う。来月になるとそんな農家らしい仕事に怒濤のごとく追われているはず。

 そんな農家のパン屋さんである”ウチ”が使っている粉は、自分で育てた麦粒を石臼で挽いたもの。(今更あえて言うのもおかしな感じがするけれども)

 その粉の話を少しだけ。


 粒を石臼で挽くと出口から出て来た粉は、もちろん全粒粉。紛れもない全粒粉だ。容器の移し替えなどで若干のロスは出るが、ほぼ麦粒1kgに対して1kgの全粒粉が出来る。
 この全粒粉のことを完全粉と呼ぶ人もいる。麦粒そのままが粉になったということからだろうか。

 石臼を調整すると粗挽きや細引きの粉を挽くことが出来る。挽いた粉は、各種の篩いにかけて、1種類の粒から何種かの粉を作り出すことが出来る。
 その中には、それだけではパンを焼くには不都合な粉も出る。
 しかし、面白いことにそれにはそれの特徴があるわけで、使い方、組み合わせによっては無限の可能性があるような気もする。

 パン屋をオープンするまでの間、その組み合わせをいろいろ試していた。
 そんな”試し”の中で
「この粒ならこれがベストじゃ無いのか」
と生まれてきたのが、今、焼いているパンたちに使っている粉。
 同じ粒から出来た粉だが、パンの種類によって配分を変えている。

 自分で麦を作っているとその麦が育ってきた環境を知っている。もちろん自分で育てたのでどんな世話をしたのかも良く知っている。
 すごく愛着のある麦粒だし、粉だ。


 粒を育てて粉になるまでの一連の作業は、すごく面白いし、やりがいを感じる。
 でも、毎年のこと、種を播いた後はすごく不安になる。
「無事な秋が迎えることができるのだろうか」
という不安だ。
 もうすぐ収穫を迎えるライ麦、小麦を前にこの不安は、最高潮かもしれない。
 

 断っておくが、篩った粉は、もちろん捨てたりなんてしない。
 うまく完全に利用している。ウチは食べものを作る農家なんだし。



 右側が50番のメッシュで篩った粉 左はメッシュの上に残ったもの
 この時点で麦粒の5割程度まで篩い分けられる
 100番まで進めると そのまた5割 麦粒の25%ほどになる
粉のコトなど_f0015906_22195150.jpg

 大容量の方の石臼 中古で購入
 東京の老舗 某天然酵母パン屋さんで使われていたもの ありがたいです
粉のコトなど_f0015906_22201118.jpg


 初めて買った電動石臼 SAMAP F100
 家庭で焼いてた時からも随分活躍 今は主にライ麦製粉用に使用
 これの他に大阪から連れてきた手回しの石臼あり 店では製粉体験用に使っている
粉のコトなど_f0015906_22193055.jpg
by fu-sora | 2007-08-11 22:49 | パンのコト
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北海道北大雪の高原の村で麦から育てるパン屋さんの日記です

by fu-sora
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